判例事例

「相続させる」旨の遺言により遺産を相続させるものとされた推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合における遺言の効力

(事案の概要)
  Aには亡夫との子である長男B及び長女Xがいた。Aは平成18年9月23日に死亡したが、その3か月前(平成18年6月21日)にBは死亡していた。A死亡時におけるAの相続人は、XとBの代襲者である子Y1、Y2、Y3であった。
  Aは生前公正証書遺言(以下「本件遺言」という。)を作成しており、同遺言には「Aの所有に係る財産全部をBに相続させる」旨を記載した条項があった。
  Xは本件遺言が失効したと主張。
 (論点)
「相続させる」旨の遺言により遺産を相続させるものとされた推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合における遺言の効力
 (判決要旨)
遺産を特定の推定相続人に単独で相続させる旨の遺産分割の方法を指定する「相続させる」旨の遺言は、当該遺言により遺産を相続させるものとされた推定相続人が遺言者の死亡以前に死亡した場合には、当該「相続させる」旨の遺言に係る条項と遺言書の他の記載との関係、遺言書作成当時の事情および遺言者の置かれていた状況などから、遺言者が、上記の場合には、当該推定相続人の代襲者その他の者に遺産を相続させる旨の意思を有していたとみるべき特段の事情のない限り、その効力を生じることはない(最高裁平成23年2月22日第三小法廷判決)。

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